覚醒-チカラ Ⅹ シメイ-

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「と言う話があったのです。」 透慧の話を聞いても、璃兎は引っ掛かるばかりである。 「じゃあ、その話と俺はどういう関係があるんだ?」 「だから、あなたは神に選ばれたのです。今、再び夜陰は復活しようと企んでいるのです。」 透慧はその場で立ち上がり、 「私と一緒にこの国を救ってほしいんです。一刻も早くあなたの力が必要なのです。私と旅をして、現在を司る弓道師を見つけ、夜陰の復活を阻止しましょう。」 と言うと、右手を差し伸べた。 璃兎の頭の中では、ある稚児の声が響く。 ……みんなが笑っていられる、そんな国に住みたかったね…… 璃兎は差し出された手を握る。 「いいだろう。どうせ、ここに居たって、いい事もないだろうし。」 こうして、新たな旅が始まったのである。
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