第一章 第三部

2/5
前へ
/75ページ
次へ
  そして今オレ逹はデートを楽しんでいるのだが・・・  (なぜだ、なぜだ!、なぜなんだ~!!)   オレは両手を見た、そこには2つの紙袋が握られていた。しかも空はオレの斜め前を歩いている。もちろん手なんか一回もつないでない、てゆうかつなげない。  (ハァ~夢でも現実でもオレのヘタレ具合は一緒かよ。)   ため息をついたそのとき、空が隣に来て手を差し出してきた。   「え、なんで?」   オレが不思議そうに聞くと空は少し笑いながら答えた。   「だって和真私の手をチラチラ見てくるんだもん、見てるこっちがはずかしいよ。」   それを聞いたオレは顔から湯気がでそうなくらい恥ずかしかった。周りから見たらそうとう変な人に見えただろう。   「ありがとう」 と言って空の手を取ろうとしたとき・・・   「じーーーー。」   妙な視線と変な声が聞こえてきた。   「じーーーーーー。」   声の聞こえる方に振り返ってみるとそこには、   「母さん!!」   叫んでみたが反応がない。  「じ~~~~~。」   (まだやってるし。)   ・・・どうやらオレ逹がまだ自分のことにきずいていないと思ってるようだ。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加