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「和真、少し話聞いてくれる?」
「ああ、いいぞ」
オレはとくにやることもなかったので黙って空の話を聞くことにした。
「雪が降るのは『空』の寂しい心の隙間を埋めるため。
雨が降るのは『空』が誰かに気付いてほしいから。」
空は、遠くの『空』を見ながら話し続けた。
「だけど雪は真っ白でどれだけ降っても、やがて消えてしまう
そしてどれだけ雨が降っても、何もない『空』を気にする人なんていない。
だけど一人でも『空』に気付いてあげられたら・・・」
空はベンチから立ち上がり少し歩いて振り向いた。
「皆、幸せでいられるんじゃないかって私は思う」
そのときの空の笑顔は、この白い雪景色に負けないくらい綺麗だった。
「な~んてね、この詩は、家のお母さんが作った物なんだ。」
「そうだったのか。」
そういって、オレはベンチから立ち上がり空のいる所まで走った。
「私の名前の由来はこの詩からきてるんだよ。
名字が白雪だったから名前を空にしたの。」
空は嬉しそうに話を続けた。
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