第一章 第五部

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十字路の真ん中にいる空と今にもぶつかりそうな車の姿があった。   オレはとっさに叫んでいた。   「あぶない!!」   そして空は、こっちに視線を戻した。   「え?何かずっ」 その瞬間!! 『キィィィィ』ッバン!! 空は、宙を舞いそのまま弦を描いて白い地面に落ちていった。   「空ーーー!!」 オレは叫びながら空の元へかけだした。   「空、空、空ー!!」   オレは、血でぬれた空を抱いた。   空は頭から血を流し、体温が雪のように冷たくなっていた。   「空、約束したよな、また会うって桜の木の下でまた会うって」   血に涙を滲ませてオレは、叫び続けた。   「昔から何の取り柄もなかったオレに、いつも声を掛けてくれる空が好きだった。 ちょっとしたことで拗ねるお前の仕草が好きだった。」   そしてオレは『空』に向かって、強く、とても大きく叫んでいた。   「お前のすべてが大好きだったんだよ!!」   そしてオレの意識もそこで途切れた。   最後に聞こえたのは、救急車のサイレンの音と・・・『チリィン』っとゆう鈴の音と共に聞こえてきた「ごめんなさい」と、謝り続ける少女の声だった。
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