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十字路の真ん中にいる空と今にもぶつかりそうな車の姿があった。
オレはとっさに叫んでいた。
「あぶない!!」
そして空は、こっちに視線を戻した。
「え?何かずっ」
その瞬間!!
『キィィィィ』ッバン!!
空は、宙を舞いそのまま弦を描いて白い地面に落ちていった。
「空ーーー!!」
オレは叫びながら空の元へかけだした。
「空、空、空ー!!」
オレは、血でぬれた空を抱いた。
空は頭から血を流し、体温が雪のように冷たくなっていた。
「空、約束したよな、また会うって桜の木の下でまた会うって」
血に涙を滲ませてオレは、叫び続けた。
「昔から何の取り柄もなかったオレに、いつも声を掛けてくれる空が好きだった。
ちょっとしたことで拗ねるお前の仕草が好きだった。」
そしてオレは『空』に向かって、強く、とても大きく叫んでいた。
「お前のすべてが大好きだったんだよ!!」
そしてオレの意識もそこで途切れた。
最後に聞こえたのは、救急車のサイレンの音と・・・『チリィン』っとゆう鈴の音と共に聞こえてきた「ごめんなさい」と、謝り続ける少女の声だった。
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