第二章 第一部

3/6
前へ
/75ページ
次へ
(もう起きないかもしれない・・・)   (起きないかもしれない・・・)   「起きないかも・・・」   オレはそう呟いてあたりを見回してみた。   白いベッドに一つしかない窓、そしてオレの隣にある機械は、『ピッピッピッ』っと規則正しい機械音を辺りに響かせている。   誰がどう見てもそこは病院だった。   「お兄ちゃんどおしたの?」   春香が心配そうにこっちを見てくる。   「春香、オレはどおしてこんな所にいるんだ?」   そうオレが聞くと春香は顔を真っ青にしながら口を開いた。   「お兄ちゃんがここにいるのは、・・・」   『バンッ』   春香が話し始めたそのとき、一つだけあったドアが勢いよく開いてオヤジがかけ込んできたかと思うと、オレの名前を叫びながらベッドに飛び付いてきた。   「か~ず~ま~。」   そのままオヤジは、オレの顔に頬擦りをしてきた。   「だぁ~気持ち悪い!!」   オレは、オヤジを蹴り飛ばした。 飛んでいくオヤジを眺めながら、 オレは春香に視線を戻した。   「で、オレは何でこんな所にいるんだ!!確かオレは空とデートをした、帰り道に・・・」  
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加