第二章 第二部

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  そんなオレを見てオヤジは少し考えてから口を開いた。   「7:00までには帰ってこいよ」   「ああ」   オレはそれに返事を返すと母さん、オヤジ、春香、オレの家族全員を見て手を振りながら、 「いってきます」 っと言ってリビングを出た。   しかし皆は『行ってらっしゃい』とは言わずに視線だけでオレを見送った。   オレは気にせずバックを取り家を出た。   そして家の方に振り返り、もう一度だけオレは呟いた。   「行ってきます」   そしてオレは歩きだした。約束の場所へと・・・   オレは『空』を 見上げてみた。 そこには、雲一つない青空が広がっていた。   「もうすぐ行くからな、空」   そう呟いてオレは歩き続けるとやがて神社に続く階段が見えてきた。   「もうすぐだな・・・」   オレはその階段をゆっくりと、登り始めた。   「ごめんなオヤジ、約束守れなくて」   一歩、   「母さんごめん、せっかく久しぶりに帰ってきたのになにもしてやれなくて」   また一歩、   「そしてごめんな春香、またオレはお前の顔を歪ませて、涙でぬらしてしまうことになる・・・本当にごめんな」   そしてまた一歩、
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