汽笛のかぜ

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外は雪です、警察が殺された人たちの身元を調べています。   外は雪です、ホセはマヤにマヤが主役の、まるでアリスのような話をしました。   「お嬢さんが顔をあげると、そこには巨大ないもむしがいました。」   ホセが話す物語に、マヤは大袈裟なほど反応をし、きゃーきゃーと楽しそうでした。 ホセも、マヤがあんまりにも楽しそうなので自分もとても楽しくなりニコニコになりました。   お話はどんどん進んでいき、マヤが魔法使いになる話まで話したとき教会の鐘が鳴りました。ゴーン、ゴーン。普段はお昼にしか鳴らない鐘ですが、イヴとクリスマスの日は特別です。この鐘が鳴ったあと、教会では礼拝が行われ、讃美歌を高らかに歌い、お祈りをするのです。   「ねえ、サンタさん。神様っているのかな。」   マヤは聞きました。   「どうしてそんな事を聞くんだい?」   ホセも聞きました。   「だって、私のお母さんは何も悪い事をしてないのに、すごく辛そうなんだもの。神様は、本当にいるのかしら。」   ホセは、胸がつまるような感覚に襲われました。今まで感じた事のない罪悪感でした。   神は、罪人には罰を与える   ホセは、苦しくなりました。  
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