透明

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「透明って不思議な感覚だと思わない?」 どうして、とは誰も言わずに私はただ疑問を広げていく。 「目に見えないのに、存在してるんだよ?本当不思議。」   誰一人、私の問いには答えない。 それはそうだ、彼らはぬいぐるみなのだから。   私は今、悲しさのあまり学校にすら行けず家で一人枕を涙で濡らしている…と言う事になってる。 三月十八日、昼だ。   実際、とても悲しいし、寂しく思う。ただ、飼い猫ではないぶん悲しみも簡単に抜けていくみたいだ。   それでも友人や学校には飼い猫が、と説明をしてずる休みをしてしまう私。本当図太いと思う。  
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