もやし

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目が合ったものの、あたしはすぐにそらしてしまいました。 彼は物静かな雰囲気で、大人びていました。 でも賑やかな周りと楽しそうにしていて、みんなをまとめている様子でした。 「ねぇ、あの人誰?」 「ああ、あの人?マサトだよ。野球部の…」 「…ふーん、」 あたしは仲間と笑いあう彼を見ていました。 「何?アム、好きな人~?」 サユリがあたしに言ってきました。 「違う。」 「なんだあ~、ていうか、アムって本名なんだね!」 「そうだよ、みんなにあだ名みたいって言われる~」 「あたしもそうだと思ってた。」 サユリがけらけらと笑いました。 サユリはクラスがかわってから最初に知り合った友達です。
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