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犯行ノートより
H9.3.16
愛する「バモイドオキ神」様へ
今日人間の壊れやすさを確かめるための「聖なる実験」をしました。
その記念としてこの日記をつけることを決めたのです。
実験は、公園で一人で遊んでいた女の子に「手を洗う場所はありませんか」と話かけ、「学校にならありますよ」と答たので案内してもらうことになりました。
二人で歩いているとき、ぼくは用意していた金づちかナイフかどちらで実験をするか迷いました。
最終的なは金づちでやることを決め、ナイフはこの次に試そうと思ったのです。
しばらく歩くと、ぼくは「お礼を言いたいのでこっちを向いて下さい」と言いました。
そして女の子がこちらを向いた瞬間、金づちを振り降ろしました。
2、3回殴ったと思いますが、興奮していてよく覚えていません。
そのまま、階段の下に止めておいた自転車で走り出しました。
途中、またまた小さな男の子を見つけ、あとをつけましたが、団地の中で見失いました。
仕方なく進んでいくと、また女の子が歩いていました。
女の子の後ろに自転車を止め、公園を抜けて先回りし、通りすがりに今度はナイフで刺しました。
自転車に乗り、家に向かいました。
救急車やパトカーのサイレンが鳴り響きとてもうるさかったです。
ひどく疲れていたようなので、そのまま夜まで寝ました。
「聖なる実験」がうまくいったことをバモイドオキ神様に感謝します。
H9.3.23
愛する「バモイドオキ神」様へ
朝、母が「かわいそうに。通り魔に襲われた女の子が亡くなったみたいよ」と言いました。
新聞を読むと、死因は頭部の強打による頭蓋骨の陥没だったそうです。
金づちで殴った方は死に、おなかを刺した方は回復しているそうです。
人間は壊れやすいのか壊れにくいのか分からなくなりました。
容疑も傷害から殺人、殺人未遂に変わりましたが、捕まる気配はありません。
目撃された不審人物もぼくとかけ離れています。
これというのも、すべてバモイドオキ神様のおかげです。
これからもどうかぼくをお守りください。
続く‥‥
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