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莉奈と静夏と俊と合流したダイ。
三人とも俯いて、話そうとしない。
ダイはまだ信じていなかった。
少し経って成巳が来た。もう一人、祐也というこれも今泉の紹介で仲良くなった友達も来ていた。
祐也も成巳も今一実感が無い様だった。
軽く皆で話した後、二手に別れて通夜へ向かった。
ダイは莉奈、静夏、俊との四人で向かった。
通夜へ向かう間、四人とも口を開かなかった。
それぞれが虚空を見つめ、今泉を想った。
ダイにも少しずつ実感が湧いてきた。
そして通夜式に着いて、ダイはその実感に重みが増すのを感じた。
長方形の部屋の中で仰向けに寝る今泉。
その顔はまるで蝋人形の様だった。 だけどどこか、ホッとしている様にも見えた。
ダイは泣けなかった。
理由は分からない。
やっぱり実感が無いから?
その日は莉奈ω家で寝る事にした。
布団の中で、棺に入った今泉の顔を思い出していた。
ただボーッとして、具体的に何を考えていたわけでもなく、棺に眠る今泉の顔が頭の中で浮かんでは消えてくのを、追う様に見つめ続けた。
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