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* * *
案外ぐっすり眠れたダイは、予定より少し遅れて目が覚めた。
莉奈はもう化粧をしていた。
煙草に火を点けて、ダイが言った。
「今泉の顔、何か別人みたいやったね…。」
「うん…。」
「…膨張して、何か青い斑点がいっぱいあった。」
「首吊りやけんね…。」
「毒が出よるっちゃろ?」
「らしいね。 …はよダイも準備せな! あんた時間掛かるっちゃけん!」
「そーやん!」
バタバタ準備をしながらも、ダイの頭の中からは今泉の顔の事が消えなかった。 蝋人形…膨張…青い斑点…。
いつもより手早く準備を終えたダイと莉奈は、下の公園で静夏と俊と合流した。
成巳と祐也は来れないと昨日言っていた。
出来れば来てほしかったとダイは強く思った。
葬儀所へは昨日と一緒で友美のおばちゃんに送ってもらった。
葬儀所は通夜と同じくらいの人で溢れていた。
「多いねぇ…」
静夏にダイが応えた。
「今泉は友達が多いっちゃね…」
莉奈が言った。
「どこ行ってもムードメーカーやったけんね…」
「うん…。 色んな人を繋げとったっちゃね…」
俊が言った。
「俺とダイが再会できたのも今泉のお陰やもんね…」
「そーやねぇ…」
「…」
「…」
「…」
「…」
改めて今泉の大きさを感じた四人だった…。
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