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大吾は林で木に隠れて2人の男の戦いを見ていた。
2人の男は互いの刀の切っ先で間合いをはかっている。
やがて間合いに入った。
一人の男は刀を振り上げたがもう一人の男はそれよりも速く相手の喉を突いた。
それは一瞬の出来事だった。
勝った方の男は返り血を拭い、去って行った。
拳の勝負は体力の削り合いだが、刀の勝負は一瞬なのだ。
大吾は刀の魅力に取り付かれた。
大吾は死んだ男に近づきそっと刀を取った。
その刀の刃の付け根には定春と彫ってある。
これは名刀なのかもしれない。
そう思い大吾は刀に詳しい山さんを訪ねた。
山さん「この刃の形、青い鞘、定春という彫り字。こいつは間違いねぇ、時雨だ。」
大吾「時雨?」
山さん「ああ、そうだ、こいつは名工定春が『人を切るために作った刀』だ。」
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