時雨旅立つ
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阿厳「一昔、定春という名の名工がいた。 本来、定春は争い事が嫌いで刀を作っていなかった。 料理に使う包丁や畑仕事に使う鎌などしか作らなかった。 だがある日、定春は何かに取り付かれように、刀を作り始めた。 ある日、心配した村人が定春を訪ねるとそこには衰弱しきって死んでいる定春と二本の刀があった。 恐ろしくなった村人はその二本の刀を蔵に封印したのだが、二本の刀はいつの間にか無くなっていた。」
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