第1章

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生活内において、お金を振り分ける要素を3つに分類したわけだが、必ずしもそれぞれが独立しているわけでは無い。 食事を例に挙げて説明してみたい。 先程述べたように、食事は一次的欲求である『食欲』を満たす行為である。 一次的欲求は、人間が生きる為に必須の欲求である。 従って、食欲を満たす事は生命維持に繋がるので生命維持と分類した。しかし、食文化という言葉が存在するように食事も生活・文化の中に含まれる事になる。従って生活維持にも含まれてくると考えられる。 一次的欲求が満たされ、衣食住が充実してくれば、人間は社会的評価を求めたり、より高みを目指そうとする高等な欲求を求めるようになる。これが二次的欲求である。 食事でいうならば、高級食材や高級料理を食べたいと思う事であろう。 高級食材や高級料理はその時代の生活水準を上回っていなければお目にかかるのは難しい。 手が届かないから人々は価値のある物と信じ込み、渇望する。それが現在にいたるまで高級というイメージを継続させてきたのである。高級品を手に入れる事で中流という概念から外れ、上流への仲間入りを果たし、社会からの評価も変化したと感じて優越感に浸る。まさに自己満足であると思う。
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