~ 押し殺した気持ち ~

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「だって、彬…あたしのせいでバスケットできなく……」 「お前を失うことに比べたら……、気にすんなっ、そんなこと…!」  あたしの肩に頭を乗せて言った彼の声は、震えていた。 「……この足のせいでお前に辛い想いさせて、どう接していいか、わかんねぇ」 「あたしは、辛くない……」  彼が素っ気なかった訳を知って、また涙が溢れた。 「今にも死にそうな顔してるくせに、強がんな! あの時も、つまんねー嫉妬しやがって、お前だけ名前で呼んでることに気づけよっ…! だいっきらいなんて言うな……」  あたしの腕を掴む手に力がこもる。  長い間、閉ざしていた想いが溢れる。 「…んで、何で気にすんななんて言えるのよ! 恨み言の一つもあるでしょう…!」 「あれは事故だ、お前は悪くない」  ――中学卒業式。 『先輩、第二ボタン、ください』  後輩にせがまれて彼は困っていた。 『えー、ずるーい、アタシもほしー』 『アタシもアタシもっ』
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