柔らかな手

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「いや~、やっぱり圭ちゃんはそういう格好が似合うねぇ」 「はぅ~~、圭一くん凄くかぁいい。お持ち帰りしたいよ~!」 「ぬがぁぁぁ!黙れ黙れ黙れ~!!」 7月初旬。 前から暑かった日々の熱がさらに強まった頃。俺、前原圭一はメイド姿で下校していた。 「しっかし今日の圭ちゃんは不甲斐なかったねぇ。『今日は俺の独壇場だぜ~』って張り切ってたクセにさ」 「はぅ~ 魅ぃちゃん、いくら本当のことだからって、そんなにはっきり言ったら圭一くんが可哀相なんだよ、だよ?」 「ああ~、そうだね。ごめんね、圭ちゃん。思わず『本当のこと』言っちゃってさ」 「お~ま~え~ら~」 二人の言葉に俺の心は深く傷ついた。 ……確かに二人の言うとおり、今日の部活は惨敗だった。 でもそれは仕方のないことだ。だって…… 「せっかく圭ちゃんの為に、今日の部活は男の子が有利な『アレ』にしたのに」 そう、今日の部活は腕力の有る男の子が有利な種目 『腕相撲』だったのだ。    
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