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遠い昔誰かが私に言ってくれた言葉…
『僕の持てる全てで君を守り抜く』
そう言って優しく微笑む男の人…これは【夢】?それとも【記憶】?
「…あなたは誰?」
私はそう呟き目を開けた。
「夢?」辺りを見回すと見覚えある部屋だが自分の部屋ではない。起き上がると涙が頬をつたう。
「…何で涙が?」涙を拭うと部屋のトビラが開いて男の子が入ってきた。
「嫻(しずか)?起きて大丈夫か?」心配そうに足早にベットに近付き顔を覗き込む。
「しん…や?」薄暗い部屋で相手の顔までよく見えないが声で誰かはわかった。
「あぁ。」優しく頭を撫でてた。
「…大丈夫だよ。今、何時?」私は心配かけまいと嘘をついた。
「まだ朝の4時だよ。ゆっくり寝た方がいい。眠りにつくまで側にいてやるから安心して。」私のウソを見透かして優しく微笑む。
私は言われるがまま横になり信也に
「夢を見たの…あれは夢?」
「夢?怖い夢でも見たのか?大丈夫♪側にいるから何も考えず寝なさい」すっと目に手を置いて言う。
冷たく大きな手…優しく心地よい手。
私はいつの間にか深い眠りについた…
「嫻…君を守る為なら君に嫌われても怨まれてもいい。約束はたがえない。兄貴との最後の約束だ。」まるで自分に言い聞かせるかのように呟き眠る私の頭を慈しむようにまた撫でた。
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