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ふと目を覚ますと外は明るく朝になってた。
体を起こそうとした時左手に違和感があり見てみるとなんと信也が手を握り寝息を立てている。
「!…まさかあれからずっと?」信也を起こすまいとしたがタイミング悪く信也のケータイが鳴った。
「…嫻?起こしてしまったか?悪い。外で話してくるから。もう少し横になってろ」ポンポンと頭を叩き笑って部屋からでる。
私も笑顔で見送ったが寝る気にもなれず体を起こして窓の外を見る。
「あの人誰なんだろ…夢なのに忘れられない。それにどうしてこんなにも胸を締め付けるの?」膝を抱え布団に顔をうずめる…。すると部屋のトビラが開いた。
ガチャ
そこに現れたのは信也と…
「…遥子(ようこ)さん?」すらっとした綺麗な女の子が微笑み私に近付く。
「嫻ちゃん。大丈夫?さっき信也に電話したら起きたみたいだって言うから来ちゃった」心配そうに顔を覗き込む。
「…はい」無理矢理笑顔を作ったが遥子さんにはバレバレで
「無理しなくていいのよ。それに泣いていたの?」すっと私の頬に触れた。
「……夢を見たの。でもあれは夢なの?何でこんなに涙が止まらないの?」またしてもポロポロと涙が流れる。
遥子さんは信也と顔を見合わせ悲しそうな顔をした。しばらくだまっていたが信也が重い口を開いた。
「嫻。その夢は全部悲しいの?」信也に言われてハッとした。
「…ううん。最初は幸せなのに最後はいつも悲しいの。……【海の為に降る雪】って何かな?あの人は誰?」私の言葉に信也も遥子さんもピクッとした。
私の違和感が消えない…私は二人に思いきって二人に問いかける。
「…私…【何か】忘れてる?」
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