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 列車を乗り継ぎ一日半かけてようやくトロイへと到着した。新しい情報はないかと、店の前に花を並べていた花屋らしき女性に声をかけた。 「あの、すみません。ちょっとお尋ねしたいことが……」 「はいはい、何かしら。あら? 貴女達パルテノンの学生さん?」  花屋は人当たりのよさそうな笑みを浮かべて振り返ったが、制服姿の珠玲を見てのんびりとした口調で尋ねた。 「はい。パルテノン魔術学園、専修科一年の宝院と申します」 「あら、やっぱりそうなのね。専修科というともしかして魔物退治に来たのかしら?」 「ええ、そうですが。ご存知なのですか?」  学生が魔物討伐を行っている事は、秘密にはされていないが、公にもされていなかった。そのため一介の花屋の女主人が知っている事に驚いた。 「先日隣街にパルテノンの学生さんが来てね。魔物退治をしたという話をお友達から聞いたのよ。あら、でも今回は無駄足になってしまったかしら」 「無駄足とは?」  意外な言葉に小首を傾げ、尋ねた。
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