序章:慈悲無き記憶

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閻魔王 『うむ。 確かに訳がありそうじゃ。 その者を通せ。』 側近の鬼 『はっ。 次の亡者、前へ出よ。』 その少女が前へ出る。 少女 『………。』 閻魔王 『貴女は半谷美紀で相違無いですね。』 少女は黙ったままうなずく。 側近の鬼 『貴様! 大王様の前で左様な態度、 失礼では無いか!!』 閻魔王 『まぁ良いではないか。 何分状況が読めぬのだろう。 部下が声を荒げてすまぬ。』 少女はそれでも黙り込む。 儚げな、 それであって絶望に満ちた瞳で…。 閻魔王 『ここでは、貴女の処遇を審議します。 地獄へ墜ちるか、 天国へ行き、 しばらく羽を休めた後、転生するか…。』 少女は黙り込む…。 閻魔王 『では、 最初の質問です。 貴女は自分の死の原因を覚えていますか?』 少女は沈黙を守る。 閻魔王 『覚えていませんか…。 なら読み取ります。 構いませんね?』 少女は何も喋らない。 それどころか、 言葉を聞こえていないみたいだ…。
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