差出人のない郵便物

11/12
前へ
/54ページ
次へ
「ねえ叔母さん、どうしてふしぎ雑貨屋のことを知ってたの?」  叔母さんは少し黙ったあと、口を開いた。 『私も昔、雑貨屋の客だったからよ』  今まで聞いたことがないくらいやさしい声だった。  それからはインドとかお土産の話をしたけど、ふしぎ雑貨屋の名前が出ることはなかった。  パジャマに着替えた私は、両手で掴んでいるまくらと向き合っていた。 「何が起こるんだろ……」  ふしぎ雑貨屋のことは、叔母さんとの電話以来、口にしていない。  もちろん、お母さんにも。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加