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思いきって振り向くと、誰の姿もない。
ただただ、コロコロと笑う少女の声が遠ざかっていくだけだった。
気づくと視界は真っ暗で、“夜”に戻ってきたのだということを理解したのは、体を起こしてからだった。
「ほんとに、夢……?」
まくらに向いて座り直し、水玉模様のそれを凝視した。
あのしろい世界は何。
あの女の子は誰。
何時だろう、と思ってまくらより向こうの棚に手を伸ばした。
まだ充電中の携帯電話は右上が赤く光っていて、すぐどこにあるのかわかった。
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