差出人のない郵便物

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  「花南(かなん)、大きな箱が届いてるわよ」    とん、と箱が階段に置かれた音がした。大きい、と言ったわりには軽そうな音だ。  返事をして部屋から階段へ顔をのぞかせると、階段の一段目の端に、階段の半分を占める段ボール箱がどっしりと構えていた。 「なんにも頼んだ覚えないけどなあ……」  小さい独り言をキャッチした母が、キャベツを買い物袋から取り出しながら言った。 「姉さんじゃあないの? こないだ、インドに行ったお土産送るって言ってたじゃない」 「東京の叔母さん? ああ、そっかあ」
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