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とん、とんと階段を降りて、段ボール箱と向き合うと、箱に手をかけた。
人指し指の爪でガムテープの端をカリカリと掻き、浮いたところを持ってベリベリと剥がす。
ガムテープを丸めて、箱を開くと、ふかふかとしていそうな長方形で水玉模様のクッションが入っていた。
「これって……まくらかな?」
箱から取り出して抱き締めてみた。
なるほど、やわらかい。
そのまま水玉模様のまくらを抱えて階段から右の台所に行った。
「お母さーん、可愛いまくらだったよー」
母はキャベツを一枚ずつ剥がして水洗いしているところで、手を止めて花南のほうを見た。
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