ふしぎ雑貨屋―夢まくら―

差出人のない郵便物

『ねえ、花南。もしかして、まくらと一緒にカードが入ってなかった？』

「あ、うん。入ってた」

　左手に受話器を持ちかえて、右ポケットをまさぐった。

　カードを取り出して見ると、やわらかい文字と、文末の、よい夢をという言葉が心地よく胸に広がる。

『メッセージの裏に、ふしぎ雑貨屋って書いてない？』

　くるりと裏返すと、右下の隅っこに吹鴫雑貨屋と表と同じ字で記してあった。

「ふしぎ、雑貨屋？」

『吹くに、鳥の鴫。吹鴫雑貨屋』

「うん、そう。……叔母さん知ってるの？」