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新庄との事件の打ち合せのため、間嶋充生は月島を訪れていた。予定が繰り上がり、早々に到着した間嶋は時間つぶしを兼ね、空腹を紛らそうとフラリとこの店に入った。
そこで運ばれてきたモスチーズバーガーに、いざパクつこうかという、その瞬間の出来事だった。
「間嶋……クン?」
どこかあどけなさの残る愛らしい口許。色褪せるどころか、都会の香りを身に纏い、匂いたつような成熟した女として、彼女はそこに立っていた。
一之瀬涼子。かつて間嶋充生が愛した女性である。
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