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AM8:00
既に日は落ち繁華街は賑やかさを増した。
『響君おつかれー♪また明日も頼むよー♪』
『お疲れ様です。』
そうマスターに言い喫茶店を出る。ふとこのバイトを初めて何年経つかな…なんて考えるが…止めておく。
まぁ…就職するまで続けるさ。それより時間も遅い、それにどうにも…あの事件の事も気になる。早めに帰るにこした事は無い。
家まで歩いて20分と掛かる距離ではないがあまり遅くなると由希も心配するだろう。
足早に家路を急ぐ。
進む住宅街、電気がついている家が多い、杞憂か?そんな考えが頭に浮かぶ。
しかし角を一つ曲がった先で異様な光景を見る。
『……なんだ?』
一斉に電気が消えた。
この住宅街から一切の光が消えていた。
おかしい、どう考えてもこれは異様過ぎる。
引き返す事も考えたが…気持ちは前へと進んでいた。
まるでソレに誘われるように…。
一歩一歩慎重に進んでいく、なるべく道の真ん中を目は暗闇に慣れた、これなら明かりは不要。気休めな携帯の明かりなど咄嗟の判断の邪魔にしかならない。
再び十字路に差し掛かる。
その時だ!何処からともなくガラスが割れる音が響き渡る。
『っ!?』
すぐに音の方へと駆ける。
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