159人が本棚に入れています
本棚に追加
その背中を見送る。
その場で数回深呼吸、肺に新しい空気を吸い込む。
しかし…今回は我ながら迂闊過ぎた。しかも昨夜由希に釘を刺されたばかりだというのに…。
しかし…まぁ後悔は無い。だがやはり反省点は多い。普段恭介に鍛えて貰ってるとはいえ…リアルでの命のやり取りは初めてだ。
それを考えても今回は運がいい。これがもし初めから俺1人なら…考えたくは無いが何もできることなく死んでいただろう。
最後の言葉を思い出す。
『顔を覚えた…か。』
やっぱり無謀だったか?
あのタイプの奴は必ずまた関わる事になるだろう。
『クックック…なーにシケタ顔してんだよ。』
背後に響いた悪魔の笑い声…間違える事なんぞあるかよ…。
『兄貴!?』
そこにいたのは隣町の室町を牛耳る末永光。
月明かりに照らされ怪しく光る銀の髪、例え車椅子に座ってようともこのオーラを無視することなどできはしない………つーか。
『いつからそこにいたんだよ?』
『待て!辺りのだな♪』
ほとんど最初からいたんじゃねーかよ…。
最初のコメントを投稿しよう!