力を持つ者、持たない者

4/9
前へ
/58ページ
次へ
その背中を見送る。 その場で数回深呼吸、肺に新しい空気を吸い込む。 しかし…今回は我ながら迂闊過ぎた。しかも昨夜由希に釘を刺されたばかりだというのに…。 しかし…まぁ後悔は無い。だがやはり反省点は多い。普段恭介に鍛えて貰ってるとはいえ…リアルでの命のやり取りは初めてだ。 それを考えても今回は運がいい。これがもし初めから俺1人なら…考えたくは無いが何もできることなく死んでいただろう。 最後の言葉を思い出す。 『顔を覚えた…か。』 やっぱり無謀だったか? あのタイプの奴は必ずまた関わる事になるだろう。 『クックック…なーにシケタ顔してんだよ。』 背後に響いた悪魔の笑い声…間違える事なんぞあるかよ…。 『兄貴!?』 そこにいたのは隣町の室町を牛耳る末永光。 月明かりに照らされ怪しく光る銀の髪、例え車椅子に座ってようともこのオーラを無視することなどできはしない………つーか。 『いつからそこにいたんだよ?』 『待て!辺りのだな♪』 ほとんど最初からいたんじゃねーかよ…。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加