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高校2年生、橋本辰巳はかび臭い図書館の中をさ迷い、一人ため息をついた。 見渡す限り本、本、本。近代化が進みに進んだ二十二世紀において、このような無駄な施設を市の中心部で保護させる意味など何処にあるのだろうか。 遂に辰巳は脚が強張ってきて、『辞典』のスペースで座り込んでしまった。 灰色のコンクリート床が妙に無機質に、妙に冷ややかに感じた。 「早く帰りてぇよぉ」
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