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「な……何とか脱出できましたね。」
「は………はい。」
どれぐらい走っただろうか?
先頭を走っていた中臣先輩が止まり、肩で息をつき額の汗を拭う。
俺も久々の全力疾走に、調わない息のまま返事をすれば、隣を走っていた鉄治先輩が優しく背中を摩ってくれた。
「あ、ありがとう鉄治先輩……。」
一緒に全力で走ったのに、疲労の見えない鉄治先輩にお礼を言えば、嬉しそうに頷く鉄治先輩
「斎、大丈夫か?」
「………………。」
床に膝をついて、ハァハァ言っている斎に声をかければ、返事をするのも苦しいのか片手を上げる。
それから5分程体が落ち着くのを待ち、何とか斎も起き上がれるようになった時
俺と斎、中臣先輩に鉄治先輩は顔を見合わせて笑った
「フハハッ、こんなに走ったのは何年ぶりでしょうか?」
中臣先輩が、笑いながら言えば
「アハハッ、僕お腹痛いや!」
笑い過ぎて涙目になった斎が、お腹を押さえながら言い
「…………………。」
鉄治先輩も声こそ出していないが、ニコニコ笑っている
「ハハハッ!久々にいい運動しましたよ。
でも、誠二先生大丈夫かな?」
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