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なぜか次から次にと出て来る涙を、聖夜は優しく拭ってくれる。
「春樹、俺のこと嫌い?」
聖夜がすごく優しい顔で聞いてくる。
「……………っっ!」
俺は涙が止まらないせいで上手く喋れず、でも必死に嫌いじゃないと首を横に振る。
「じゃあ、俺のこと少しでもいいから好き?」
コクンッ
俺がうなずくと、聖夜は、嬉しすぎて泣き笑いみたいな表情で、
「俺も春樹が凄く凄く、好きだ。
春樹以外誰もいらない。
春樹じゃないと嫌だ。」
すごく、すごく、
真剣に、俺以外いらないと言ってくれる聖夜。
「うっ…、うっ……。」
こんなに人から必要とされたことは初めてで、聖夜がすごく愛しい者を見る目で俺を見てくれて、凄く凄く嬉しくて、涙が止まらない
「うえっ……、せっ、せいっ……やぁ。」
聖夜の胸に抱き着くと、優しく抱きしめ返してくれて、ますます嬉しくて涙がでる。
そんな俺を見て、聖夜は困ったように、
「春樹が俺と付き合ってくれないと俺、おじいちゃんになるまでひとりぼっちになるんだぞ!」
冗談めかして言うもんだから、
「ぷっ、はははっ。」
泣きながら吹き出すと
「春樹、愛してる。
ずっとずっと大切にするから、俺と付き合おう。」
俺はコクンッとうなずいた。
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