~~出会い~~

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「ふぅ……」 小さく溜息 俺は軽く横にステップを踏んで大斧を避ける ズンッ! という重い音と共に大斧は地面に深くめり込んでいた すごい威力だな… 心の中で感嘆しながら両手で持っていた黒翼から左手を離す 「……はぁッ!」 鞘を左手で逆手に持ち、大男の顔面を狙って振り抜く 鞘は吸い込まれるように大男の顎へと向かい、直撃 「ぶるぁ!?!?」 骨が砕ける音と奇怪な悲鳴と共に大男は斧から手を離してそのまま後方へ倒れてしまった 「………やりすぎたかな?」 白目を剥いて倒れた大男に頬を指先で掻き、俺は冷や汗を流しながらつぶやいた ……………ま、いっか。正当防衛だし しばらくの沈黙後、俺はそう答えをだし、黒翼を鞘に納めると大男の所有物を探り出した 何で?と言われても俺はこの世界を来たのが初めてなので金などビタ一文とも持ってないからだ 「……お?」 大男の所有物を探り出し始めてすぐに腰に括り付けてある袋に気が付く 括り付けてある紐をほどき、中身を確認すると中には赤やら青やら緑に光る宝石の類だと思われる石と数枚の金貨が入っていた 追剥のようで(実際はそうなのだが…)気が進まないけどこれが生きるためだ そう自分に言い聞かせ、ベルトに袋を括り付け、俺はその場を後にした
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