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盗賊達を退け、しばらく森を歩くと町を発見することができた
冒険者と思われる人も多く、俺と同じようにマントをつけている人もちょくちょく見かける
「にぎやかな町だなぁ~」
さっき屋台で買ったりんごに近いくだものをかじりながら俺は町を見てまわっていた
「いやぁあ!!お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
「ん……?」
町をねり歩き、路地裏の前を通ろうとした時に路地裏の方から子供の女の子と思われる声が聞こえてきた
「なんだ?」
俺はその声を訝しげに思い、声がした方に駆け出す
「生意気なんだよ!!」
すると、若い男が地面でぐったりと倒れている少年にその手に持つ棍棒を振り下ろそうとしているところだった
「ちぃっ!?」
俺はたまらず魔力を両足にこめて地面を蹴る
一瞬で少年との間に割り込むと同時に棍棒を手の平で受け止めた
「何してんだよ…?こんな子供相手に?」
自然と声が荒くなる
後ろで倒れている少年の額からは血が流れ、裂けた衣服から見える腹部は内出血で真っ青になっていたからだ
「あぁ!?んだよてめぇは!?」
「なにやってたんだって聞いてんだよ!?」
棍棒を振り払い、今度は男を怒鳴りつける
「こいつらは盗みの常習犯なんだからおしおきしてたに決まってんだろ?大体なんだよてめぇは!?」
「おしおき……だと?」
俺はその一言に眉をひそめ、少年の周りを確認する
そこには確かに錯乱する食物が地面を転がっていた
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