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だが…
「こんなになるまでやる必要はないだろうが!!」
確かに盗みは褒められた事ではない
しかしこれはやり過ぎだ
「うるせぇ!!こんな生きる価値のない奴らに俺等が何しようが勝手だろうが!!!」
「――!!!誰が生きる価値がないって決めたんだ!?ふざけるな!!」
俺はその男の言葉に絶句し、キレた
男の胸ぐらを引っ掴んで壁に叩きつけてさらに声を荒げる
「全員生きてんだよ!赤の他人が他人に存在価値を見いだす権利は持ってないんだ!!」
「うぐっ……」
「二度とこの二人に近づくな…、次にこんな事があったら俺が全力でお前等を叩き潰す。わかったな」
殺気すらも孕んだ瞳で睨み付けると男は顔を青くしながら機械のようにコクコクと頷く
俺はそれを確認して手を離してやると男は情けない声をあげながら走り去り、もう一人はそんな男の後を慌てて追い掛けていった
「ちょっと熱くなり過ぎたな…」
奴らが逃げていった方を向きながら軽く自己嫌悪し、頭を左右に振って熱気を飛ばす
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
そこで俺は少女の声で我に返り、地面に倒れている少年に近づいた
「……………!」
少女はそんな俺に警戒心をあらわにしながら睨み付けてきたので思わず苦笑いを浮かべる
「大丈夫、君のお兄さんの怪我を見るだけだから安心してくれな?」
少女はそんな俺をしばらく睨み付けてきたがやがて場所を譲ってくれた
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