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「シト兄がボク達の名前をつけてよ!ボクはその方がうれしい!!
お兄ちゃんは?」
「……そうだね!シト兄がつけてよ!!」
「俺が?あんまりそういうの得意じゃないんだけど…」
二人の意見に俺は頬を引きつらせるがそんなのお構いなしに二人は先程のように表情を明るくさせて騒ぐ
「あぁ~~!わかったわかった!考えとくから少し落ち着け!」
俺の周りを走り回るそんな二人の頭をグワシ、っと掴むと自分の前に座らせた
「それとちょっと二人に聞きたいことがあるんだけど…」
これだけは今すぐにでも話をつけておかなければならない
「二人とも盗みが“悪い事”って言うことはわかってるか?」
これだけはきちんと白黒つけておかなければ二人はただの犯罪者になってしまうから……
「「…………」」
二人も俺の真剣な表情に気が付き子供ながら表情を真剣なものに変えた
「うん…。わかってるよ、本当は僕達がやってる盗みは悪い事だって」
「でも誰も食物わけてくれないからこうしないとボク達、生きられないもん……」
「わかってるならいいさ、なら明日になったらいままで盗んできた店の人達に謝りに行こう?
お金なら俺が払ってやるからさ」
「「うん!!」」
二人の頭を撫でながらそう言うと二人は笑みを浮かべ、元気よく頷いてくれた
「さぁ!今日はもう寝ろよ、明日は朝から店をまわるからな」
自分のマントをとり、二人にかぶせてやるとすぐに寝息が聞こえてきた
「おやすみ」
俺も二人の隣に腰を降ろし、襲う眠気にさからわず眠りについた
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