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「ねぇ……お兄ちゃん…」
「………なに?」
「終わった……?」
「まさか……」
部屋に戻って来て課題に取り組み始め、早数刻
「終わる訳がないよ…」
二人は頭からプスプスと白い煙をあげながら机に突っ伏していた
「まったく!情けないわね!!普段の勉強をちゃんとしてればこれぐらい解けるでしょうが!」
「教えてるこっちが惨めになってくるな」
そんな二人にエリサは憤慨し、スイは眉をひそめてそう呟いた
「だって難しいじゃん!!こんな問題解いた事ないよ!?」
「当たり前だ、それは僕が造った応用問題だからな。だが、決して解けない問題ではない筈だが?」
ソラは突っ伏していた顔を上げ、批判を洩らすがスイは不思議に思うように言いながら首を捻る
「そう言われると反論できないよな~、面目ない」
カイは苦笑いを浮かべもう一度課題に目を通す
「何個か見たことはあるんだけどどうもやり方が解んなくなってくるんだよ~!」
「覚えなさいよ!」
「それができたら苦労しないよー!!」
ソラの叫びが狭い部屋にこだまする
「ねぇ、スイ?ここってどうするの?」
それを横目にカイは自分の課題の解らなかった場所を指差しながら尋ねる
「あぁ、ここは――だから公式の―――を当てはめてやれば答えがでる」
「わかった。……ん?ということはここもこの公式でいいのか?」
「そうだ」
「ありがと、もうちょっとやってみるよ」
カイはスイに礼を言うとペンを持って再び課題を解き始めた
余談だがその隣ではずっとソラとエリサが口論していた
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