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「店の亭主からの依頼でな。お前等が二度と悪さしないように懲らしめてくれってな」
倒れた僕を足蹴りしながら言葉を放つともう一度蹴り飛ばした
「がはっ!!」
「お兄ちゃん!?」
肺に溜まった酸素を思いっきり吐き出す
妹の悲痛な叫びが聞こえてくるがどうやら僕みたいに殴られてはいないようで安心した
「だ…だったら、残り…物でも、わけてくれれば…いいじゃ……ないか」
僕はなんとか妹に意識がいかないようにするために、蹴り飛ばした男を見上げながら言う
すると男は口を邪悪に歪めた
「バカかお前は?生きる価値のない人間に誰が食物をわけるんだよ?」
「生きる…価値がない?」
「そうだよ!!てめぇらがここに生きる価値は虫一匹分もないんだよ!!あはははははは!!」
男はそう言葉を言いながら棍棒を僕目がけて振り下ろす
僕は逃げる事も防ぐ事もできずにその一撃を頭部に再び受けてしまった
意識が遠くなる……
額からドロリとした液体が流れていくのがわかった
「いやぁあ!!お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
「うるせぇ!!」
ガッ!!
「きゃああ!?」
そんな中、妹が泣き叫ぶ声が聞こえたと思った後、すぐに鈍い音が聞こえ、妹の悲鳴が聞こえた
なんとか首を動かし、視線を上にあげると妹の左頬が赤く腫れてしまっていたのが眼にはいる
「妹を……殴ったな…」
僕はそれだけで身体の奥から熱い何かが込み上げてきた
「妹をよくも殴ったな!!!!」
僕は身体を無理に立ち上がらせ妹を掴んでいる男に飛び掛かる
「黙れ!!」
しかし、逆に棍棒で再び殴られてしまった
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