生きることと死ぬこと

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毎日が息苦しい。 理由は…見当たらない。  仕事をしているときだけが、『私』でいられるようだ。 スパコンの前で、カタカタとキーボードを打ち続け、マウスを持ち続ける。 画像の状態をチェックして、変化を読み取る。 そして、画像処理をする。 または、その画像のイベントをチェックして、変化をサマリーに記載する。 単純作業のように見えて、日々変化するデータは、魅力的だった。 もう、他に何もいらないかな… 自由がもしあるとすれば、この職場のスパコンの前と、私のデスクかもな。 家に帰ったら、地獄。 私は、ものすごく太い縄で縛り付けられて、牢獄にぶち込まれているような状態だ。 がんじがらめ。 自由などかけらもない。 緊張状態はどこまで続くのか。 否定をすれば、もっと酷い状況が訪れる。 何故、私はあの人と結婚したのだろう。 がんじがらめの親から抜け出したかったはずなのに、もっとがんじがらめになっているのは、何故?
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