牢獄

2/3

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
地獄であり、牢獄である場所に帰りたくなくて、車を走り続けてしまった。 国道を、南下しているうちに、県境まで来てしまった。 子供を迎えに行かなくてはいけないのに・・・・・ 携帯を取り出して、友人にお迎えを頼んだ。 ここのところの私は、変だ。 死を考えるぐらいだから、もはや正常ではないだろうが、子供のことだけは考えない日はなかったのに、ふっと何も考えずにこういうことをしてしまう。 後から、何故こんなことをしてしまうのか?と考えても、その瞬間は何も考えていないようで、思い出せない。 そして我に帰り、慌てて自宅に戻るのだ。 正直、逃げ出したいというのが本心だ。 子供と二人、やり直したい。 やり直せなくてもいい。 とにかく、あの牢獄から出たい。 でも、出ることができない。 私にすら、ロックがかかってしまったかのように、出ることができないのだ。 子供のことを思うが故。 それとも、もう、反発する力がなくなってしまった? 自由を欲しいと望んでも、どうせそんなものは得ることはできないと諦めている? そのどれものような気がする。 あれこれ考えていたら、友人宅に着いた。 
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加