第十九章~確定~

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二人の会話は、周りの人達に一体どう――聞こえているのか? 彼女は、不意に思った。 (……付き合ってるように、見えるのかな?) だが――その思考も、すぐに間違いである事に気付かされた。 外見から見ても、一目瞭然。 《会社の先輩と後輩》 周りからはきっと、そう見られているに違いない。間違っても“恋人同士”…なんて事は、天地がひっくり返っても思わないに決まっている。 それ程――二人の差は、大きいのだ。 「アネゴ?」 「ぇ?」 「エレベーター、着きましたよ?」 「ぁ、ぅん」 「気分、悪くなりました?」 「そんなんじゃないよ、全然平気!黒沢君は心配しすぎなのよ」 「はぃ」 「じゃ、また後で」 「また後でっ」 これから起こる出来事に、予想さえも出来ないまま――二人はいつも通り、エレベーターの前から左右へと…歩き出した。
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