第二章~出勤~

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「おはようございます、部長」 奈央子は繰り返し、坂口へと会釈を返した。 「っあ、黒沢さん!おはようございますっ」 契約社員の真名美が、明彦へと声を掛ける。 ゛長谷川 真名美゛ 二十七歳(独身) 同じく経営戦略部の社員で、今から四年前に契約。残り日数、一年を残した契約社員である。 いつでも相談に乗ってくれ、手助けをしてくれる奈央子を信頼し、尊敬していて――いつでも彼女の味方でいてくれる。 契約が切れるまでに、社内で好条件の男との《寿退社》を考えており…どうやら、明彦がそのターゲットに――。 「ぁ、おはようございます」 明彦も、真名美へと挨拶を向ける。 二人はある程度、部の人間に朝の挨拶を掛けると――漸く、自分のデスクへと席に着いた。
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