第二十三章~願望~

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「アネゴ」 「ん?」 「すみませんでした…俺の何気ない一言で、皆にバレちゃって――」 「気にしなくて良いよ」 「怒って…ないんですか?」 「ん~、自分でもわかんないんだけど――何か意外と、平気なのよね」 二人は給湯室にいた。 時間的にはお昼休みだ。廊下から、他の社員の話し声も聞こえてきた。     ●心の声● 『どうしよぅ…立花さんの事、何て切り出せば良いんだ?』 『何で平気なんだろ?……同情から??』 『俺は――本当は出ていきたくなぃ…ずっと、一緒にいたぃ』 『でも、黒沢君が初めて来た時と違って…今は迷惑に感じてなぃ』 『奈央子さんは、どう思ってんのかな?俺がこのまま、傍にいても良いのかな??』 『傍にいてくれて、一人暮らしにある…寂しさとか、そういうモノは無くなった……毎日、楽しいし』 『……俺が出ていくって言ったら――』
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