第二章~出勤~

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「先輩、どしたんですか?」 「何が?」 「だって――」 博美は、奈央子のおでこを突いた。 「眉間に、シワ――寄ってますよ?」 「っ嘘!?」 奈央子は、思わず両手で覆い隠した。 それを見た博美は、苦笑すると――まるで悪戯っ子のような顔付きを見せる。 「冗談ですよ」 「冗、談……冗談っっっ!?」 その声は、部署内に木霊した。 「――先輩」 「……ごめん」 笑いを堪える博美は、彼女にその原因を問いただす。 「どしたんですか?何か今日、らしくないですよ??」 「…………」 「顔に、“悩み有りまくり”って書いてあります」 「…………」 「私で良かったら、相談に乗りますけど?」 「――加藤」 「先輩には、いつもお世話になってるし…」
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