第二十四章~別れ~

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「――本当に、出ていかなくたって…良いじゃなぃ」 奈央子は空っぽになった部屋の真ん中で呟いた。 帰り際、あれから明彦に話し掛けようとした奈央子は、部長である坂口に呼び止められたのだ。 その為――戻った時には既に、明彦の姿はなく……ホンの一欠片(ひとかけら)の希望さえも、たった今…叶う事はなかった。 「ま、良いか!アイツがいなくなってせいせいよっ!! ご飯だって、毎日何作るか悩まなくったって良いし!食材の買い出しだって、重い荷物持たなくて良いわけだしっ!?普段の服装だって――…っ ……気、使わなくて…すんだんじゃ、なぃ…‥‥」
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