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笑顔を見せる博美。
(口は悪いけど……良い奴よね――。
でも――まさか、黒沢君と一緒に住んでて…その事について悩んでるなんて…‥‥
――言えなぃ)
「先輩?」
「ぇ?」
「大丈夫ですか?本当に、相談だったら乗りますけど――」
(絶対、無理)
「ぅうん、何でもなぃ。大丈夫ょ」
「本当ですか?」
「加藤も、意外と心配症なんだね?」
「先輩っ!」
「大丈夫だから、仕事しょ?」
「――もぅっ」
熟知している博美も、今の奈央子の心境までは見抜けなかったようだ。
それも…そのはず――。
十一年間、仕事バリバリの゛野田 奈央子゛
その目の前に座っている新入社員゛黒沢 明彦゛
全く接点がない男女二人が、まさか同じ屋根の下で寝泊まりしている事など――誰も、想像しようがないのだから…‥‥
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