2272人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうした、黒沢?」
隣の明彦は、何かを思い悩んでいるようだった。
「お前、仕事から帰ってから、ずっとそんな感じだぞ?」
「…すみません」
「どした?何か悩みか??俺で良かったら、相談に乗るぞ?」
年下の新入社員を気遣う、優しく親切な先輩のように聞こえるが…その瞳は、期待の眼差しで輝いていて――
明彦の目には、どうしてもそうは映らなかった。
しかし相談出来るのは、目の前にいる一人しかいない。相談する相手を選択して選ぶより――早めに聞いてもらった方が、自分自身も楽になれる気がした。
最初のコメントを投稿しよう!