第二十八章~好きな女~

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「…………」 「だから俺、前に付き合ってた彼女も何か信用出来なくて…一歩引いて、付き合ってたんです。 ……でも、この会社に入って、奈央子さんと逢って――信じられないけど、ここまで相手の事を考えてあげられる人…初めて見ました。 ――…自分の事はいつだって後回しで、真っ先にその人の事、考えて…男だろうと女だろうと、関係なくて……。 正直…凄ぇなって――」 「…確かにな」 「――なのに、自分がツラい時や、悩んでる時や…全然助け、求めなくて……『助けてっ』って、言えば良いのに…変なプライド、持ってて…… 意地張って…強がり言って……」 「…………」 「そうぃぅ…人、なんです」 「黒沢…」
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