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余計に、不安感が奈央子を襲った。
(こんな時…黒沢君がいてくれたら――)
奈央子は目の前の彼に、瞳を向けた。
明彦はパソコンに向かって何かを打ち込んでいるらしく、その目は真剣だった。
入社してきてから――およそ数ヶ月。
随分、様(さま)になってきた。
最初は『何て頼りない男だっ』と感じていた。……今風の若い雰囲気が漂っていて、ギャルズが騒いでいたのもハッキリ覚えている。
自分は、当初はそんな事――微塵(みじん)も感じていなかったのに…最近は、そうでもない。逆に明彦の事を、評価していた。
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