第三十一章~違和感~

6/8
前へ
/264ページ
次へ
聞き慣れた、呼び名のはずなのに――…‥。 さっき、『野田さん』と呼ばれたからだろうか?違和感を感じた後に、急にそんな呼び方をするものだから……驚いただけなのだろう。 奈央子はそう、心に言い聞かせた。 「――何?」 「もう一度…良いですか?」 「……は?」 「ここで俺が、初めて奈央子さんの事を【アネゴ】――って呼んだ時の事…覚えてます?」 「覚えてるわよ、もちろん。『何て生意気な新入社員!』って思ったものっ」 「ヒドいなぁ」 「ヒドいのはどっちよ?私なんて、逢って数日の男に【アネゴ】なんて言われたのよっ?」 「そうでしたねっ」 「でしょ??」
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2272人が本棚に入れています
本棚に追加